PHASS RE2 超高級パワーアンプの改造

今回はカーオーディオでは有名なPHASSの最高級アンプ「RE2」を改造してみました。
PHASS RE2の改造はこれで4回目ですので、今回は気楽に改造できました。

このアンプは60万円以上もする、カーオーディオでは最高級のアンプといっても過言ではないでしょう。

PHASS RE2のスペックは下記の通りです。

★贅をつくしたREシリーズの最高峰モデル。なすべきことを手段を尽くしてやり抜いた、卓越のスピーカドライビング能力を誇ります。

標準小売価格 630,000円(税込)

・アウトプットパワー:2×40W
・入力感度:0.25V
・ロードインピーダンス:4~16Ω
・消費電流:アイドリング時(オン、ノーシグナル)-3A、リモートオフ時-2mA
・サイズmm:320(W)×92(H)×504(D)

定価もですが、非常にこだわって製作したパワーアンプです。
あまりにも高級なアンプですので、使用している方は少ないと思われます。
今回は惜しげなく、この高級アンプを分解してみました。

PHASS RE2 外観

内部構成ですが、前方にドライバー基板、中央に大型の出力トランス、後方は電源部と電源フィルター部になっております。

PHASS RE2 内部構造

回路構成は、RCA型のバランス端子入力からバランスラインドライバーに入っております。
今回の製品はアナログデバイス社のICが使われていました。(品番は伏せておきます)
その後、低雑音オペアンプ(新日本無線)に入り、レベル調整のVRを通ってバッファーアンプ(ナショセミ)、伝送トランス(インピーダンス変換)を通り、終段のFETへ。
その後に出力トランスでインピーダンス変換を行い、スピーカー出力になっている物と思われます。
(正確に回路を把握していませんので、間違っているかもしれませんのでご了承を)

回路構成は真空管アンプを思わせる構成で、マッキントッシュのホームオーディオ用アンプを思わせる構成でもあります。
実際に、私もマッキントッシュのMC7300をホームで使っているのですが、PHASS RE2の音質は似ており、膨らみのある輪郭がはっきりした音質で、真空管アンプを思わせる音です。

大型出力トランス

PHASS RE2の特徴はなんと言っても、大型の出力トランスでしょう。
これほどの大型トランスは、ホームオーディオ用でもなかなか見たことは有りません。

出力段のFETはSONYのキャンタイプ 2SJ18ですが、シングルプッシュですので、パワーはそれ程大きくは有りません。
FETは本体の側面の上部に取り付けられています。最近はこのFETは見かけませんが、現在では入手困難な高級なデバイスです。

電源部とフィルター部

最大出力が40Wですので、電源部も小型になっております。
但し、電源フィルターは何段にもなっており、かなり気を使った構成です。

改造ですが、バランス入力は使用しないので、RCA端子を交換しました。
ロジウムメッキ仕様の高級な物にしました。

RCA端子の交換後

また、レベル調整のVRですが、調整の関係と内部のケーブルの引き回しを考えて、前方に移動しました。
それに伴い、VRも大型のデテントVRに交換しました。
VRには入力保護のリレーが付いていますが、この機能は生かしたまま基板を改造して取り付けています。

バランス入力端子とVR

バランス入力端子とVR周辺

移動したVR その1 移動したVR その2

移動したVR。つまみも高級なアルミ無垢のものにしています。

内部配線ですが、OFCの2芯シールド線がリアパネルからフロントの基板に配線されていますが、これを太いPCCOCA線の2芯シールド線に交換しました。

交換した内部配線

緑色の太い線が交換したケーブルです。

最後にスピーカー端子を交換しました。

交換したスピーカー端子

これ以外に、ヒューズBOXの交換、出力抵抗の交換、等々行っています。

改造の結果ですが、ノーマルでも十分高音質ではありますが、改造で高音域は更に透明感が増してクリアになり、低音部は太く非常に低域まで出るようになり、更に音域が深く伸びた感じになりました。

何時間聞いても疲れない音質で、本当に心地よい感じです。

試しにホーム用のスピーカーを鳴らしてみましたが、ホーム用の高級アンプと比べても遜色のない音質です。
(JBL S3500、B&W DM602、他)

カーオーディオでは電源環境が非常に悪いので、性能を十分に発揮するのは難しいのですが、外付けで(これもオリジナル設計)高性能な「ノイズフィルター+電源安定化」装置の取り付けを薦めています。

ノイズフィルター+電源安定化装置

さらにリモートラインからもノイズが混入してくるので、これもオリジナルの高性能フィルターの使用をお願いしています。

リモートライン用フィルター

これらの対策で、電源環境が悪いカーオーディオでも非常に高音質に聞く事ができる様になりました。
もちろんヘッドユニットにもオリジナルのキャパシターを設置しています。

今回は、依頼でRE2の改造をしましたが、総合的にノイズ対策をする事により、ノーマルでも高音質化ができることが十分わかりました。

使用されているユーザーからも、効果が体験できたと評価を頂いております。

これらは販売等はしておりませんが、参考になればと思い、記載しました。

近いうちにインストールした車の写真も掲載したいと思います。

2009年5月17日にカーオーディオのイベントがお台場でありますので、私も参加するつもりです。

2009.4.21更新